津軽系こけし

宇宙戦争の津軽系こけしのレビュー・感想・評価

宇宙戦争(2005年製作の映画)
4.5
父として


⭐️スピルバーグ監督のSF映画
⭐️賛否両論の一作
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🔷おそらく映画史でも稀なほど、見解によって真っ二つに評価が分かれる興味深い作品😮😮


🔶蓮實先生は今作を運動の映画だと評されていたが正しくその通りで、運動のみに注目するなら間違いなく傑作である。

しかし、演劇として観た時、またはH.G.ウェルズの原作を意識した時、この映画は瞬く間に破綻する。そして後者こそが、今作に対する世間一般の評価である🤨🤨


🔷たしかにどちらの見解にも頷けるのだが、私は前者を肯定したい👍👍

導入の、父と子供たちの微妙な距離感と、それを表象する鋭利なやり取りには感嘆させられる。トライポッド登場シーンのホラーっぷりはスピルバーグ節であるし、その後の友人の車を盗むシーンでは泣いてしまった。
他にも、軍の車が通り抜けてゆく中、父と息子が言い合いをするシーンでも泣いた。


🔶映像を意識するか、演劇を意識するかでここまで意見が分かれるのは、世間の映像主義と演劇主義の分断を浮き彫りにするようで、大変興味深いものがある。

作品として素晴らしいのはそうであるが、そういう映画史的役割にも注目したい一作である。

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🚗まとめ🚗
そしてトムクルーズのブランディング能力も、ある意味で注目される一作である。定型化されたものを崩すだけでこれだけの破壊力があるのだから、キャラクター性というのは心底便利である。
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