CANACO

失われた週末のCANACOのレビュー・感想・評価

失われた週末(1945年製作の映画)
3.5
ビリー・ワイルダー作品鑑賞9作目。第18回アカデミー賞では作品・監督・脚色・主演男優賞の4部門受賞。第1回カンヌ国際映画祭で最高賞を受賞した貴重な作品。

小説家として世に認められたいという思いを持ちながら、全く筆が進まない男・ドン。そのジレンマからアルコール中毒に陥っていくドンと、その彼を献身的に支える恋人・ヘレンの物語。

ビリー・ワイルダー作品の中でもシリアスな物語。兄や恋人の前では取り繕ろうが、我を失うほど酒を求めてしまうドンの焦燥感が、人を不安にさせる世界最古の電子楽器・テルミンの音楽とともに伝わってくる。その焦りは中毒が進行するとともに強まり、体裁を取り繕うことすらできなくなる。

酒を隠すシーン、酒を探すシーンはこちらもハラハラさせる演出は、脱税でお金を隠す・探すシーンに似ている。こういう飽きさせない演出からも監督のセンスを感じさせる。
決してドンを見捨てない恋人のヘレンの存在が大きく、内容はシリアスだが絶望的にはならない。

ここまで人間としてギリギリの状態でも女性にめちゃモテるのが憎らしい。イケメンって得ですね。

メモ
・情婦
・アパートの鍵貸します
・お熱いのがお好き
・サンセット大通り
・7年目の浮気
・あなただけ今晩は
・深夜の告白
・お熱い夜をあなたに
・失われた週末
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