Ricola

紅塵のRicolaのレビュー・感想・評価

紅塵(1932年製作の映画)
3.7
植民地であるベトナムのゴムのプランテーションが舞台。
男ばかりの現場に、ワガママで気の強い女性と上品な人妻が現れる…。

クラーク・ゲイブルとジーン・ハロウの組み合わせ、チャイナシーと役どころも同じだった。


とにもかくにもクラーク・ゲイブルの雄な魅力に圧倒される。
汗もしたたるいい男という感じが似合う!
女を狙う目で水をググッと飲む様子がなんとも動物的でぞわぞわする。
だけどあまりいやらしく感じないのは、彼の紳士的で頼りになる人柄のおかげかもしれない。

そしてストーリーは帝国主義、露骨な人種差別が凄まじい。
まだまだ白人至上主義が平然となされている。
現地の労働者たちはさることながら、使用人のアジア系の人がずっとニコニコして媚を売らなきゃいけない状況なのが怖いなと。

そしてどうしても恋愛がストーリーの中心にあるが、現地の自然や天候、またゴムを作る様子も観れて面白い。

現代から考えればかなり価値観は違うため、人種問題や男女の関係性など腑に落ちずとも、そういった時代もあったと思って観ると興味深い。

陳腐なストーリーではあるが、キャラクターがそれぞれ立っていて魅力的で、恋愛や友情、軽くアクション、そして異国情緒を楽しめる娯楽作品なのだと思う。
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