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シカゴのYYamadaのレビュー・感想・評価

シカゴ(2002年製作の映画)
3.7
【音楽映画のススメ】
~ 音楽と映像の素晴らしき
   コラボレーション

◆作品名: シカゴ (2002)
・作品のジャンル : ミュージカル
・楽曲のジャンル : ジャズ

〈本作の粗筋〉 eiga.comより抜粋
・1920年代、シカゴ。スターを夢見るロキシーは、ナイトクラブの舞台に立つヴェルマを憧れのまなざしで見つめていた。ロキシーは自分をショーに売り込んでくれるという男と不倫するが、その言葉が嘘だったことを知り彼を殺害。
・刑務所に送られた彼女は、同じく殺人罪で投獄されたヴェルマと出会う。ヴェルマは敏腕弁護士ビリーを雇って自らを被害者として演出し、獄中にいながらも世間の注目を集めていた。ロキシーもそれを真似てビリーを雇い、ヴェルマを上回る人気を獲得するが……。

〈見処〉
①この街では、銃弾一発で
有名になれる——
・『シカゴ』は、2002年に製作されたミュージカル映画。振付師として活躍していたロブ・マーシャルによる劇場公開映画の初監督作品。
・本作は伝説的演出家ボブ・フォッシーが手掛け、1975年の初演以来ブロードウエイで幾度も再演される傑作ミュージカル舞台「シカゴ」を映像化。
・出演は、前年の『ブリジット・ジョーンズの日記』にて13kg増やした体重をスリムアップして本作に臨んだレニー・ゼルウィガー、本作にてアカデミー助演女優賞に輝いたキャサリン・ゼタ=ジョーンズの女優陣に対し、リチャード・ギア、ジョン・C・ライリーら男優陣が顔を揃える。
・1920年代のシカゴを舞台に事件を起こし、争いに巻き込まれながらもスターダムへと上り詰める様子を描いた本作は、ミュージカル映画のヒット作が生まれない当時のジンクスを打破。
・第75回アカデミー賞では主演女優賞、助演男優賞・監督賞・脚色賞ら主要12部門のノミネートを受け、作品賞・助演女優賞・美術賞、衣装デザイン賞ら6部門を獲得した。

②結び…本作の見処は?
◎: まるで「マルチバース演出?」…本作は、物語の展開と並行して、ミュージカル場面を異次元の舞台で描いている。この演出により「ミュージカル会話」を用いず「ドラマ映画」と「ミュージカル映画」の良いトコどりを成立させた画期的な作品。
◎: とくにユニークなのが、リチャード・ギアが扮する弁護士ビリーが、レニー・ゼルウィガーが演じる殺人犯ロキシーと記者会見を行う場面の「マルチバース・ミュージカル」では「操り人形と腹話術師」が演舞。また、終盤の弁護士役を得意とするリチャード・ギアによる「タップダンス」法廷ミュージカルも見逃せない。
◎: 俳優出身の主要キャストにあって、オスカーを獲得したキャサリン・ゼタ=ジョーンズのパフォーマンスが突出。声量、ダンスともに強烈な印象を残している。
▲: 女性的な容姿を武器に自分本位な行動を繰り返すロキシーに、性的な魅力を感じないのは、本作では筋肉質なレニー・ゼルウィガーのキャスティングのアンマッチも要因の一つだろう。
▲: 歌唱力や大袈裟な表情など、リチャード・ギアもミュージカルの相性はいま一歩な気がする。
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