みかんぼうや

シカゴのみかんぼうやのレビュー・感想・評価

シカゴ(2002年製作の映画)
3.2
【なぜか避けてきた超有名作を食らうVol.11】
もともとミュージカルが大の苦手だった私も、気づけばミュージカル克服どころか、最近はむしろ好きになり始めているのではないか!?と思えるようになり、ここのところは全く抵抗感なく観られるどころか、むしろ歌と踊りのシーンを楽しみにできるようになりました。そんな準備万端な状態になり、満を持してアカデミー賞作品賞である超人気ミュージカル映画の本作に挑戦!

・・・でしたが、撃沈。全然合いませんでした。確かにエンタメとしては見応えありですし、刑務所や法廷劇をミュージカルにオーバーラップさせていく演出も面白いですが、肝心のストーリーと登場人物たちのキャラクター設定に全く魅力を感じませんでした。

前情報無しで観たので、レニー・セルヴィガー演じるロキシーが夢見るミュージカルの舞台を目指して努力の末に夢を掴む話だと思っていたら、この主人公、かなりの性悪承認欲求女子でビックリ。しかも弁護士ビリー(リチャード・ギア)をはじめ、ロキシーと絡む面々もことごとく自分可愛さの欲の塊。

ストーリーが面白ければ、そんなキャラ設定も全然構わないのですが、物語の展開も意外と膨らまず、ミュージカルを絡めた独自の演出がなければ、それほどフックになる意外性や面白い展開もない内容だったように感じました。

とはいえ、ミュージカルなので歌と踊りが良ければ、という期待もあったのですが、肝心の楽曲と踊りも自分好みではなく、「雨に唄えば」、「レ・ミゼラブル」、「グレイテスト・ショーマン」あたりと比べると、思わず鳥肌が立つような興奮を味わえず。ラストのレニー・セルヴィガーとキャサリン・ゼタ・ジョーンズのデュオによる歌と踊りは流石にビシッと決まっていましたが。

アカデミー賞作品賞受賞ということで、ミュージカルの中でもかなり期待値が大きかったゆえに、本作が大好きな人には申し訳ないくらい批判的な内容になってしまいましたが、ここは思ったことを忖度なく書かせていただきました。
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