ねこ無双

暗いところで待ち合わせのねこ無双のレビュー・感想・評価

暗いところで待ち合わせ(2006年製作の映画)
3.5
男が駅のホームから転落、列車と接触し命を落とした。
ちょうどその時、その事件が見える家の窓辺に立っていた女性ミチル。
でも、彼女は目に障害があり、実際にはその事件が見えてはいなかった。

同じ孤独を持つ二人が殺人事件を通して巡り会う。
『うつせみ』という映画を想起しました。
ストーリーも動機も異なるんですけど、どちらも居住者に気づかれないようにそっと同居する…。
って、どちらもヤバいやつや…!
実際に聞いたらぞっとする話が、両者ともなぜなのか…奇妙に優しさがあるんです。

そんな馬鹿な、なんて思うところも、田中麗奈の「ありがとう」の言葉に不意をつかれて涙してしまった。
気を許した後でも距離を緩め過ぎない、その繊細な距離感がよかったです。
ミステリー要素、スリラー要素とある物語ですが、じんわり優しい後味でした。

相手役は台湾の俳優、チェン・ボーリンさん。
サブを固める人が佐藤浩一さん、佐野史郎さん、岸部一徳さん、津田寛治さんまで出てて、小品なのに結構豪華。 
私は読んでませんが、原作は乙一さん。

劇中、田中麗奈さんが弾くピアノ曲の旋律が優しく響く。
めいなCo. - ミチルのピアノ(という曲名?)
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