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雪の断章 情熱のmingoのレビュー・感想・評価

雪の断章 情熱(1985年製作の映画)
4.0
渋谷シネマヴェーラにて鑑賞。
相米ファンとしてはどうしても観たかった一本。仕事を無理やり終わらせて劇場に足を運んだら、岡田ゴズリングがいた。キチガイが集まるヴェーラ最高。

まず本作の凄さはカメラワーク。冒頭の長回しは、何がどうなってんのか、意味不明、やばすぎ。次に、斉藤由貴が「夏の扉」を唄いながら、バイクの荷台から地面スレスレに後ろにのけぞらせて乗ってるシーンでも、は?やばすぎの連続。

そして相米監督の無茶な演出は相変わらず。佐智子の謎のダンスシーンは台風クラブを想起させる。あの動きなんだよ
「ちびまる子ちゃん私の好きな歌」でも有名な、笠置シズ子の「買い物ブギ」(おっさんおっさん〜♫)をBGMに斉藤由貴を犬かきで河泳ぎをさせるやばさ。

もうすべてのシーンがやばすぎなんだけど、海辺のテトラポッドのシーンでもまたもやめちゃくちゃな撮影に、長まわし。
ラストでは冒頭と同様に画面を支配してくる球乗り人形!!!本当にデタラメ。人形うぜ〜

何が起こってるのか分かんねえ!でも最高!!と、まさに相米節炸裂のもの凄い画面求心力。デタラメすぎの渾身の破天荒とでも言うべき画面に、一刻一秒たりとも目を離せません。

3人が川沿いの小さな公園の桜の木の下でキャッチボールをするシーンで、「飲みたいよ〜、桜の花びらが飲みたいよ〜」には参りました。照明にカメラにすべてが、相米慎二という稀代の映画監督が狂っているのだと確信づけました。観れてよかった◎
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