言語の異なる者同士がつながり、同じはずの者たちはすれ違うというテーマは興味深いし、ヴィッキー・チャオもめちゃくちゃ可愛かったし、ラストの締め方も好き。
ただ、やっぱりあのクライマックスの口紅シーンは飲み込みづらい気が。
映画的表現技法としては理解できるけど、普通に夜景の見える公園で叫ばせておけば良かった気がする。安くなるけどいいじゃない、それで。
あと、このテーマだと竹中直人には「笑いながら怒る人」やらせないと。
ヤカラに絡まれるでもいいし、ぼったくりタクシーでもいいし、女性警察官の夫が出てくるとか、やらせるチャンスはいくらでもあったはず。
結局、そんな街や人の暗部は大人の事情として映せないのが透けて見えてしまい残念。
最後まで誰も性的な描写がないところは大好きなのだけど、日中国交正常化30周年記念とか文化庁なんちゃらとか、帰納法的に説教くさく感じたり、薄っぺらく感じてしまうのもある。
ただ、これ全く同じお話で、舞台をニューヨークやパリにやってきたイギリス紳士にしたら、たぶん好きな映画になりそうなので、自分が一番薄っぺらい気はする。