世界の巨匠イ・チャンドン監督のデビュー作。
貧乏だが純朴な青年があるきっかけでヤクザ世界へ踏み込んでゆく。東映映画の傑作『仁義の墓場』を思わせるような哀しみと運命に加え、イ・チャンドンらしい優しいファンタジックさが見える作品だった。
『ペパーミント・キャンディ』以降の世界を揺るがす大傑作とはいかないが、障害者の兄やラストのなんとも言えないファンタジックな優しさなど、後のイ・チャンドン映画を感じさせるシーンは多い。
唯一見逃していた作品が映画館で見られる幸せ。ありがたい。
ヒューマントラスト有楽町にて