宇宙人の侵略行為を察知した研究者（千葉真一）が、人類の科学力を結集させた宇宙快速船に乗り込む。ニュー東映（第二東映）が手掛けている、空想特撮映画。後に特撮研究所を創設する人物、矢島信男が特技監督を務めている。
主人公の科学者を演じているのは、若手時代の千葉真一。子供たちから親しまれている覆面ヒーロー「アイアンシャープ」を熱演しており、空手家キャラを確立させる以前の、初々しいアクション役者ぶりを披露してくれる。
対する宇宙人は、ビッグバン・ベイダーの鎧のようなものを着込んだ姿で登場。激しく動き回るとき、外れないように手で押さえる仕草が可愛らしい。都市破壊描写では、UFOの低空飛行が見応え満点であり、ラドンさながらにドッカンドッカンとやってくれる。
表面上は少年視点の子供向け特撮映画だが、その実態は芯がしっかりした侵略もの。宇宙人襲来に付随する怪異現象が丁寧に描写されており、迫りくる謎の生命体に恐怖することができる。
