狂王キシリトールヴィヒ2世

グランド・ホテルの狂王キシリトールヴィヒ2世のレビュー・感想・評価

グランド・ホテル(1932年製作の映画)
4.8
人々は行き交い孤独な人生は束の間交錯する、あるいはただすれ違う。流れるように宿泊客の人となり悲痛な思いが明らかとなり、それらが互いに交わるとき人生における喜びと悲しみの表裏一体性と運命のいたずらが顔を出す。緻密に練られたボタンの掛け違いがやるせない。そしてロビーにはグランドパリホテルやグランドホテル2の予感。今となってはキャストの名前を聞いたときに顔を輝かせたジャックレモンに強い共感しかない。ソフトフォーカスに次ぐソフトフォーカス。オールスターお祭り映画=ソフトフォーカス祭っていう最高の時代。