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マクベインのHKのレビュー・感想・評価

マクベイン(1991年製作の映画)
2.6
ヴェトナムで捕虜だった役にウォーケン、という時点で作った奴は只者ではない、というか、それはグリッケンハウスなので只者ではなく安物なのだが…さておきヴェトナムで助けられたダチは某南米独裁国でゲリラ組織を率いてブチ殺され、その仕返しに行くというストーリーなのだが、彼の地に飛び立つ前のNY場面が個人的には好き。仲間を集めたウォーケンのマクベインだが、先立つものがない、ということでどうせなら悪い奴、麻薬密輸組織のボスから搾り取れ!というアイデアは中学生の脚本家でも躊躇するんじゃないか?ってくらい浅はかだが、だからなんだの勢いでステーキハウスの前で食った食ったと腹をさするそのボスの前でトラックを激突させて驚かせ、拉致ると今度はビルの高層に吊り下げてウォーケンは言う。「ミュンヘンを覚えてるか?ありゃ俺たちの仕業だ」と嘘八百を並べて脅す姿はハットにグラサン、そして革ジャンというスタイルで、まあカッコいいのだ。ヴェトナムから帰還後、しょーもない日常でくさくさしてる仲間の描写もいいのだが、ひとり、参加しないと言う奴がいた。富豪のマイケル・アイアンサイドだ。俺は金だけ出す、と言うアイアンサイドに、ウォーケンはひと言。「お前、楽しいか?」無論楽しくなんかあるわけなく、やがてアイアンサイドも参加するが、その行動は本作を象徴している。つまり、楽しい方が選ばれるのだ。先の場面でトラック激突あると書いたが別にトラックでなくてもそれはいいはずで、でもトラックのが楽しいだろう?というグリッケンハウスの声が聴こえる。だから、中学生が書いたのか?てな指摘して来る輩にはやはりこの言葉で返したい。お前、楽しいか?『マクベイン』は素晴らしく楽しいグラインドハウス映画だ。
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