タクマ

デス・レース2000年のタクマのレビュー・感想・評価

デス・レース2000年(1975年製作の映画)
3.4
そこだ!轢け!
独裁国家となった近未来のアメリカで国民の不満を払拭する為に行われる地獄の横断レース。
優勝する為のルールは1つ。人をたくさん轢き殺した者の優勝。それも、女性、子供、赤ちゃん、老人の順に社会的弱者になればなる程得るポイントが高くなると言う鬼畜っぷり。力と恐怖で作られた国家が暴力を押さえる為に用いる手段が暴力による娯楽でありその国家を倒すのもやはり暴力でそれらを指示する大衆がいるからこそこの負の連鎖は成立してしまうと言う皮肉。
見ていて残酷やなあって思いますけど、ネット上の誹謗中傷、ヘイト、過激な政治批判、暴露系YouTuberの個人の秘密の暴露を娯楽として楽しむ今の時代の倫理観だって大概に暴力的でだからこそ今見ても突き刺さるメッセージでもある。
その辺りで刺さる物はあったし今で言うB級カルト映画的面白さは確かにある一方で個人的にレースシーンにはそこまでハマらず。事前に聞いていた中で予想していた程にぶっ飛んでなかったっていうかもう少しパンチがほしかったとは思います。とはいえ今の時代の映画と比べてもやりたい事をやり通したツッコミ所満載のフリーダムな映画ではあるので真面目にバカやってる映画が見たい時にオススメです。リメイク版があるようなのでそっちも見てみたいですね。
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