ゆきゆき

フェイシズのゆきゆきのレビュー・感想・評価

フェイシズ(1968年製作の映画)
4.0
一般的には成功者と言われる男とその妻。円満とは言い難い夫婦の溝とその果ての崩壊の一夜を描いている。

見てる観客側の感想は「ひたすら居心地が悪い」。ホモソーシャル的な「らしさ」を強調する男たちの会話。これで靡く女たちは、本当にその彼を魅力的と思っているのか。彼自身は気付いていないのか、気付いているが知らぬふりをしているのか。

妻という殻に押し込められる女たち。羽目を外して一晩のアバンチュールを体験してみても、そこには絶望があるだけ。「自分らしく」生きるということは簡単なことではない。

階段のシーン。妻の存在を無視するかのような夫と、邪魔な夫に「通して」と言い放つ妻。この女性は「自分らしさ」を見つけることができるのかも、と思えるラストでした。
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