おかちゃん

フェイシズのおかちゃんのレビュー・感想・評価

フェイシズ(1968年製作の映画)
2.9
冒頭からカサベテス流寸劇が 炸裂する。 役者に全てを任せ演技力を最大限引き出そうとする。カメラはテンポよくシークエンス毎に俯瞰したり、 演者目線で捉えたりCamera Workは、切り替わってゆく。 しかしそこで繰り広げられる事柄と言葉の羅列の数々は非常に騒々しい。 単語は豊富だが、薄味な言葉が羅列され、追い詰められた人間の感情だけが残される。 表情だけで充分にその緊張感が伝わるのに…。
こういう映画の表現方法もあるのか? 私は、ふと考える日本映画はどうだろう 「黙して語らず」という言葉が、 まさに 日本人感情にフィットする。国民性の違い?文化の違い?…。
やっぱり私は日本人だ。
ただ、救われるのは問題を抱ながらも、次の地平へ向かおうとする雰囲気を醸し出している点。刹那的ではあるが、何故かそう感じた。これで安心させられた。米国の未来思考は、この時点ではまだ健在だね。