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フェイシズのGijoeGoのネタバレレビュー・内容・結末

フェイシズ(1968年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

after6junctionでジョン・カサヴェテス特集で作品を知り鑑賞。

なんだこの上げては下げるジェットコースターの様な展開は。
よく分からない会話劇の印象から徐々にパターンの様な様式がわかるとクセになる。

だいたい初めは陽気に歌い踊ったりしてたわいもないジョークで笑い合ったかと思ったら急に沈んだ会話で気まずい雰囲気になって別の場面へという流れ。
観ていくうちに夫婦の関係が崩壊寸前だとわかる。

そこから2人の不倫で幕を閉じると言えば単調かも知れないがまるでドキュメンタリーかのような撮り方で登場人物が生き生きとしてる。作劇というよりその場に居合わせたかの様でドギマギする。

一触即発になる寸前が続いてイライラしたりしょーもない会話でニコニコしたり観てるこっちも忙しい。

白黒なのもスタイリッシュで洗練されてる。光と影のコントラストが美しい。
構図も見事だし手持ちカメラで躍動感が常にある。ただしラストの方では夫婦の心が冷え切ってるかの様に画面がビタ止まりなのが怖い。エンディング曲も薄っすら寂しげに流れて終幕。そして画面には誰もいなくなった。

かっこよすぎ!

キャスティングにスタッフも皆素晴らしいが無償で監督の身銭を切っての製作というのも凄すぎ!
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