ボブおじさん

パラダイス・アレイのボブおじさんのレビュー・感想・評価

パラダイス・アレイ(1978年製作の映画)
3.6
「ロッキー」の大成功で、勢いに乗るシルヴェスター・スタローンが自身初の監督の他、脚本・主演も務めたこの映画、公開前から見るのを楽しみに待ち焦がれた。

脚本は、彼がロッキーで成功する前に既に書き上げていたもので、荒んだ暮らしをしていた本人の青春時代も反映されている。

舞台は、第二次世界大戦直後のNYヘルズ・キッチン。スラム街に住むイタリア系三兄弟の次男コスモ(スタローン)が考えるのは金儲けの事ばかり。何をやっても上手くいかず、長男には真面目に働けと言われ、好きな女性には相手にされない。そんな時、ナイトバーでやっている賭けレスリングに力自慢の弟を出し、一攫千金を狙おうとするのだが…。

この映画を楽しみにしていたのは、スタローンの次回作という以外に、もう一つ大きな理由があった。当時、日本でも絶大な人気を誇ったプロレスラー〝ザ・ファンクス〟の弟テリー・ファンクが映画に出演しているとの情報を事前に掴んだからだ😊

当時のテリー・ファンクの人気を知っている人は、私と同年代か少し上の60代の人になるので、ピンとこない人の方が多いと思うが、とにかく凄い人気だったのだ😅

兄弟の絆を丁寧に描いてはいるが、残念ながら名作「ロッキー」とは比べてしまうと感動する場面も少なく。肝心のスタローンに至っては、アクションシーンもなく。これと言った見せ場も無かった😢

ただ、敵役を演じたテリー・ファンクは、スタローンに気に入られたのか、後に「オーバー・ザ・トップ」にも、ボディーガード役でちゃっかり出演している😅

映画作家として認められたいスタローンが自信を持って臨んだ作品であったが、世間が彼に求めたものは、これではなかったということか。

この後スタローンは社会派ドラマ「フィスト」を挟んで、いよいよ世間が待ちに待ったあの映画の続編へと続いていく。