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ニュー・シネマ・パラダイスのchungkingexpressのレビュー・感想・評価

5.0
 地元の映画館が閉館するとき、この映画を最後に上映しました。子供のころから何度も通っていた古い映画館。座席が色あせていて、少しホコリっぽくて…、でもそこに足を踏み入れただけで胸が高鳴るような。本作を見ると、そこで夢中になって映画を見ている子供の頃の自分が甦ります。ラストシーンでは、誰もが少年のトトになってそれぞれの記憶に思いを馳せるのではないでしょうか。

 幼いころ絶対的に誰かに愛された記憶は、知らぬ間にずっと心に残り続ける気がします。大人になって、記憶のかなたに消し去られてしまっても、必ずいつかそのことに気づく機会が訪れます。その相手は家族だったり恩師だったり、友達だったり、トトのように近所のおじさんかもしれません。そんな誰かに大切にされたことをふと思い出させてくれる、忘れていた遠い記憶に救われるような大切な作品です。
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