みかん

ニュー・シネマ・パラダイスのみかんのレビュー・感想・評価

4.0
仕事が休みだったので、昼は映画館に行って夕方から家で本作を観賞。
贅沢な1日でした。

1989年の作品ですが、映像が当時の技術より古くて質感が荒く感じるし、そういう演出なのかなぁって思ってたら、トトの成長に合わせて映像が綺麗になっていく。
トトの幼少期がおそらく1950年代で、そこから30年経って大人になったトトが思いを馳せる幼少期の思い出を映像で一緒に追っている感じになっていて、良い演出だなぁと思いました。
あと、結構コミカルさもあって、軽いテンポで晴れやかな気持ちで見れたのはすごく良かったです!

映写技師のアルフレードと映画に魅せられた少年トトの友情。
エレナとのロマンチックな恋。
トトの青春は常に映画とともにある。

時が経っても映画は人々の娯楽であって、広場の壁に作品を投影して群衆に見せたりとか、屋外上映とか、映画を皆で楽しむ姿に、映画の素晴らしさを改めて感じさせられました。
台詞を全部覚えるくらい見てるのにいまだに号泣してるおじさんとか、めっちゃ愛しい。
思い出がある映画館が潰れて涙するとか、今の時代もう味わうことの難しい感覚ですよね。
大人になって街に戻ってきたトトが、昔見てた作品を見てノスタルジーを感じて涙するラストシーンは素敵でした。

映画には思い出がたくさん詰まってる。
人生は映画と違う。
だからこそ映画に惹かれるんだなとも思う。
こういう素敵な作品の積み重ねの上にたくさんの素晴らしい作品があるんだって思うと、家でも映画館でも映画が自由に見れる今の時代は最高だよなって改めて思いました。
私もなんやかんや、時間やお金や環境に制限があった学生の頃より、大人になって環境が整った今が一番映画見てるもんな。
多いときは毎週のように映画館に行くときもあるけど、それってかなり贅沢だよなぁ。
たくさんの作品数を見てる方々に比べたら全然かもだけど、映画を見ることを自分の中で最高に楽しめてる。

映画館がパラダイス。
まさに今がそう感じてる。
こういう作品を映画館で見れたら、すごく素敵な思い出になるだろうな。
みかん

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