ペコリンゴ

ニュー・シネマ・パラダイスのペコリンゴのレビュー・感想・評価

4.4
記録。
映画から夢が広がった 大切なぼくの宝箱

ジュゼッペ・トルナトーレ監督の長編2作目にして各国で絶賛の誉れ高い名作。音楽はエンニオ・モリコーネ。

新年一発目の映画鑑賞はこちらに決定。

124分の劇場公開版と、3時間近い完全オリジナル版があるようですが、とりあえず今回は前者で。

今更説明不要でしょうが、
故郷であるシチリアの小さな村を離れ30年もの間帰っていない男サルヴァトーレが、アルフレードという人物の訃報を聞き、過去を回想するお話。

鳴り響く雷鳴とサルヴァトーレの表情が訃報を受けた彼の心境をこれでもかと伝えます。

場面は転じて愛らしい少年が登場。
少年時代のサルヴァトーレ(通称トト)です。また、アルフレードは村唯一の娯楽である映画館・パラダイス座で働く映写技師のおじさんでした。

映画とそれを映し出す映写技師アルフレードに魅せられたトト。親以上に歳が離れた2人の間で育まれていく絆、そして映画愛とノスタルジーに満ちた優しい物語。

とにかく暖かい映画だと思いました。

パラダイス座に集う観客たち。少々オーバーなほどに一喜一憂しながらスクリーンを見つめる。その姿を捉える視点に親しみがあって暖かい。

トトにとって友であり、父親の様な存在であり、メンターでもあるアルフレード。数々の金言を持つ彼の優しさ、そして厳しさ。全部引っくるめて暖かい。

もちろん全編に渡って、モリコーネの素晴らしい劇伴が情感たっぷりに心の琴線を刺激してきます。郷愁、温もり、そんな表情を持った旋律。染みないわけがない。

そして極め付けはあのラストですよね。
映写技師役は監督のカメオ出演らしいってのはさておき、あれは泣いちゃうって…。

ちなみに、僕の新年初泣きでした。
最近泣いてばっかだなw