サン

ニュー・シネマ・パラダイスのサンのレビュー・感想・評価

4.3
すごく良かった
家族の愛、恋人への愛、そして何よりも映画の魅力が伝わる映画だったと思う。
舞台はシチリア
主人公のトトは映画にのめり込む子供、そしてやんちゃ坊主。子供が言うことを聞かなかった時に暴力が普通に飛んできてた時代。今とはまるで違う。父が死んだことがわかり、母がトトを連れて歩いているシーンは泣きそうになった
青年になったトトとエレナとの恋も良かった。懺悔の部屋で告白するシーン。言葉が熱い熱い。二人の付き合い方も熱くて良かったな
そして観客が映画を楽しんで見てる姿や、映画をこぞって見ようとしていた様子も良かった
テレビやタブレットではない映画館の高揚感があるのはもちろんだけど、今の映画館にはない映画の楽しみがその時代のシチリアにはあったんだろうな
これは余談なんだけれど、
ラジオやレコードみたいな雑味、そのザラっとしたものが耳心地がいいように。その雑味のあるものの一つとしての映画も近くにあって欲しい
今の映画館はツルッとしすぎている気がする
ミニシアターとかが近い感覚を感じれるんだろうか

「この映画館がなくなるとこの街から娯楽が消えてしまう」という言葉も良かった。今では周りに娯楽が溢れているけれど、1つ1つの娯楽に貴重さを感じながら見るものっていいと思う
あと屋外上映の気持ち良さそうな感じ。屋外で上映されるってやっぱり特別だよね
そしてトトに映画技師の仕事を教えた師アルフレードの名言
火事の前まで面白い適当そうなおっちゃんだったのに、火事を経験して盲目になってから神のように悟った言葉がすらすら出てくる。
「一度村を出たら長い年月帰るな、お前の噂を聞きたい」
「人生はお前が見た映画とは違う、人生とはもっと困難なものだ」
「自分のすることを愛せ、子供の時映写室を愛したように」
王女のことを外で待つ兵隊の話、好きだな。せっかく待っていたのに99日で帰ってしまう。それはなぜか?
100日いて王女が振り向なかった時が怖かったから、そちらの方が王女の心が動くと思ったから、単純に日数を勘違いしていたから(ロマンのかけらもない笑)
とか考えれるけど、なんなんだろう?
アルフレードからの最後の贈り物、センスあるよね。そこで流れてる音楽もいい
いい映画見させてもらったな。グラーチェ
サン

サン