さすが宮川泰のヒット曲。「真っ赤なスカーフ」にしか聴こえん！当時の旅行業界ってのんびりしてるんだなぁ。主人公の鰐淵晴子の心情に全く共感できない。エロがないレディコミ見せられてる感じですね。

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☑️『ウナ·セラ·ディ東京』(3.3p)及び『泣いて笑った花嫁』(3.1p)▶️▶️
『ウナ~』。この監督の映画監督からテレビに移る切り替わり期の作品のようだが、見事な映画的成果を見せている。終局の構図·カッティングの鮮やかさ·切迫感·噴き出さんとする情感。欧州を代表する、D·リーンやデ·シーカというトップ監督に優に匹敵していると思う。本作全編の、仰角や俯瞰めや縦の図の織り込み方の、感覚的に予断わや許さぬ視角·リズム·うねり·厳しさは賞賛に値する。カメラワークもそれを助けてて、余分な膨らみ·カーブはなく、臨機応変で鋭く味わいがある。
会社の後継社長を巡る争い、各々の子飼い·直属の部下の出世(争い、一方は)絡みも。これに片方の令嬢の自殺が、親の決めたその部下との結婚の果て·嘗て愛し関係のあった相手がもう一方で関係復活してた、というクロスした隠された背景。その仲介をしてたバーのマダムに令嬢の元夫の妻の真相追及で追ってるを·もう一方が意図的罠で情事と虚偽のリーク、そのマダムが会社人事に多大影響の外部大物の愛人だった事から、後継社長指名の逆転。しかし、真相をマダムがぶちまけ再逆転。が、「妻の自殺らの重荷を背負っての一生に」「一から自分を鍛え直す」と出世コースに戻った筈の者は、元の左遷のアフリカ行きを変えない選択をす。そして、それらと並行し、旅行代理店で彼の担当をするうち、本当に互いに惹かれ合い、「汚い、社会·会社」の浄化·清涼に傾いてく純なラブ·ストーリーも。かなり、感客層を考えての子供だまし、シャープさ·陰影で際立つ川又カメラを本質の伴わぬケレン、という批判も出来るが、小難しい文学でもあるまい、それが映画なのだと言いたい。
内容的には松竹のやや若年層狙いの、綺麗事、型通りで終わってる所が多いとしても、極めて感覚的に心地いい。
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『泣いて~』。そもそも 別の気鋭の作を予定も体調·気力今いち。時間も用事を済ませてたら昼をまわり、そういう時は、とここに予定外に来たのだが。1本目は時間に遅れて前の端の端の補助席に。そんな変な席から観てどうこう言えぬ画面の歪みからも、画調は上記作と違い平明·安定、内容もテレビと映画の境界の無くなった時代の、明朗·復活嘗ての人間関係·1歩退いての他人の恋成就腐心の安心ドラマ、そして映画ならではの『フレンチ·カンカン』ばり、失恋からステージ復帰の大レビュー(と言いたいが、自前SKD活用)、合体の作。当時でも古めかしく先進的な客層は相手にもしなかったろうが、ピタッとはまった90°変やアップ真ん中嵌め込み·まま切返しの坪、寄るや横へスーと流れてくカメラワークの締めと味、何が不足だと言いたい。
戦後出来た東京の玩具屋、京都の老舗呉服屋、そして浅草国際劇場。巴里留学·画家志望の呉服屋の娘の女子大生が玩具屋にバイトに、玩具屋の息子はレビュー演出がばれ·勘当に、この２人が同じアパート隣室に。また、呉服屋女主人と、玩具屋主人は、共に連れ合いを亡くしてて、また嘗ていとはん·番頭の叶わぬ恋のあった関係で、再会に導かれると和み懐かしみ、彼は傾いた呉服屋·女主人を狙う結構多額債権者に対し、肩代わり。女子大生は、演出家と踊子の真剣な関係に身を引いて助力へまわる。玩具屋の番頭·呉服屋のご隠居·玩具屋の身代り旅館番頭のコメディ·リリーフもしつこめもしっかり。
フラッと入る映画館、それに応えてくれる作品。大層な事でなくても、それも映画の愉しみだった時代を思い起こす。翌日は、真面目で重い話でロードショーの金を払って迄は、決して観に行かないような3本立てを改めて意を決し観に行き、前言を翻すが、またそういうのも時には必要と思ったりする。

ハルコ・ワニブチが出演した番匠義彰の遺作。自殺した妻を持つ男に鰐淵晴子が惚れてしまうと言った内容で、遺作にしてはめっちゃ話が暗い。ウナ・セラ・ディ東京(東京の一夜)がタイトルなのに、北海道の雪景色や雪まつりの様子の方が印象に残るという…。ラスト、空港で飛行機を見送る鰐淵晴子の美しさが救いだった。

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