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レベッカのUのレビュー・感想・評価

レベッカ(1940年製作の映画)
4.5
マキシムの前妻レベッカは類い稀な美貌と知性を兼ね備えた女性。しかし、映画の中では写真や肖像画は一枚もなく、人々が語る「レベッカ」というイメージのみによってその存在感はどんどん大きくなっていく。
死んだはずなのに、いつまでも屋敷と人々につきまとうレベッカの影。

もちろん観客の私たちも人々が創り上げた「レベッカ」によって想像を膨らますしかないため、ジョーン・フォンテイン演じる主人公のレベッカに対する劣等感と不気味さ、恐怖心をリアルに感じることができる。

ダンヴァース夫人の存在感も大きい。表情をほとんど変えず、幽霊のように足音も立てずに姿を現わす。
彼女の中でレベッカは神話化され、レベッカを中心と回る彼女からは狂気を感じられる。

見えない相手に抱く恐怖
イメージによる縛り
白黒の画面によって得られる緊迫感
様々な効果を使って
「レベッカ」に様々な人物がそれぞれの思いを抱く様子はとてもおもしろく時間を忘れて見入ってしまった。
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