jazzyhal

ビフォア・サンセットのjazzyhalのネタバレレビュー・内容・結末

ビフォア・サンセット(2004年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

僕にとってのマスターピースの作品。
三部作の中では、これが一番印象に残っています。
音楽好きとしては、最後のニーナ・シモンの曲で終わるエンディングに全て持っていかれました。
おおっ、マジかっ、全くなんたる終わり方をさせるんだ、なんていう余韻を残して終わるんだよ、と初見時の20程度の私には震えたものです。
後でこの曲が入ったニーモ・シモンのCDを買いました。

【追記】
自身も時と歳と経験を重ねて、
久しぶりにこの映画を再鑑賞。

途中クスクス笑える場面が多くて、こんなにユーモアのある映画だったと記憶していなかったし、今回も二人の会話劇が実に上手くできているなと思いました。

そして、歳をとるにつれこの映画の良さをより感じいるように思えました。

最後のa waltz for a night のシーン。
ここに至るまでも素晴らしいんですけど、
もうね、やっぱりここですよね、この一曲のシーンのインパクト。何もかもこのためかって言うほどの、例の隙間を埋めていく怒涛の歌詞と音楽。

悲しくて切なくて苦しくて、ロマンチックで、
そして圧倒的に愛おしいシーンなんですよね。
前作から続きで観ているならば、
もう愛おしい以外の言葉が出ません。

勝手に言うならば、
映画におけるギネス級名場面の一つとさせていただきたいくらい大好きな作品。

強く強くオススメしたい映画です。

映画のミラクルが詰まってる。
金なんかかけなくたってですね、
人間の機微や会話だけで十分に映画たりうる事、
つまり我々の生きる日々や軌跡はそれだけで映画になりうるってことで、それを十二分に示すことができた作品でしょう。
今作は前作に比べより淡々と進む展開なのに、
ただただ男女が延々と喋っているだけなのに、
それでいて目が離せないくらいに面白いのですから。

2人が時を重ねた人生の機微と皮肉と、
そして誰もがどこかで感じるであろう
真実が散りばめられているからでしょう。

僕にとってのマスターピース。
実に憎い映画です。


「ベイビー、飛行機に乗り遅れるわよ」
jazzyhal

jazzyhal