冒頭の主人公へのインタビューは、蓮實重彦だったら「それにはお答えしません」みたいな質問ばかりだ。でも主人公は親切に、それも饒舌に答える。
劇的な再会ではなく、さらっと。前作のラストのようなベロチューをするには時間が経ちすぎている。
「あのとき」約束通りに駅に行ったか確認し合うのも、さらっと。その場でシリアスな感情を発露するのにも時間が経ちすぎている。ときめきメモリアルだったら、イベントすっぽかしはバッドエンド直行なのに。
時間の溝が埋まるかのように、会話に以前のような調子を取り戻していく様も、実に自然な流れだ。お互いの容姿について言い合える関係って羨ましいね。
前作ほどにロマンチックに時間を使えないお互いの忙しなさと、本編時間の短さも見事にマッチしていて完璧です。