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ビフォア・サンセットの346のレビュー・感想・評価

ビフォア・サンセット(2004年製作の映画)
4.0
サンライズのほうだけ昔に観て、もうこれ以上の物語は蛇足だよと思ってたので敬遠してたのですが、ようやくサンセット鑑賞しました。

うん。台詞の美しさならビフォアサンライズが圧倒的でした。やっぱ恋愛って、恋に落ちる瞬間が1番華やかなものだしそれは仕方ない。それに、 サンライズはある意味サスペンスのような構成で、イーサン・ホークが、どういったトリックを使ってでデルピーを落とすのかという演出が巧みで、それと合わせてイーサン・ホークの序盤の軽さも効いてて、デルピー逃げてぇ!って観客は目が離せなくなるように出来てる。と思う。それでいて、途中からその仮初の恋が、本物の出会いに変わっていく過程も繊細に描いているわけで、ラブストーリーとしてこの前作を越えるのは至難だなとは思ってたけど。

でも比べちゃだめなんだよね。続編をつくるとなった段階でどうしても会話が湿っぽくなるし、過ちを重ねた擦れた大人の会話になるのは分かりきってることだもの。でも、それを分かったうえで、飛行機のまでの時間という気持ちいいぐらいの王道の枷をつくってテンションを引っ張り続けたのは、普通に脚本の技術として感心した。

前作は、二人がどう恋に落ちるか?だったところを、時間の枷をつくって、二人がどう別れるか?に変えてきたあたりがリンクレイターの才能だと思う。別れが最初から用意されていることで、ただ会話を続けるだけでも、別れに対しての抗いになるわけで。互いにそれを感じながらも正直な気持ちを簡単に言葉に出来ない男女のもどかしさが切なくて、みっもなさが可愛くてどうすんのこれ?って最後まで観てしまったら、あのラスト。あの、ラスト。

別に二度言ったからって衝撃的でも何でもないけど、あの答えが詰まりきったあのラストのデルピーの可愛さよ!自分も笑ってしまった。
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