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ビフォア・サンセットのぜんのレビュー・感想・評価

ビフォア・サンセット(2004年製作の映画)
3.9
【運命的出逢いから9年。ふたりはパリで再会】

ビフォア3部作の2作目。

*あらすじ*
ウィーンで運命的な出会いをしたふたり。
連絡先をお互いに知らず、
9年間再会することがなかった二人。
一夜を共にした時間を小説に書いた。
小説のプロモーションでパリに来たとき、
二人は奇跡的に再開する。
しかし各地を飛び回っていたため、
次の飛行機の出発までしか時間が
残されていない。
二人は残された時間をパリの街並みを
歩きながら互いに言葉を交わしあう。

*総評*
9年ぶりに再会したのに、
ほんの数時間しか一緒にいられない。
お互いに話したいことがたくさん
あるだろう。

限られた時間での会話だが、
二人の会話は知的で物事を深く捉えているためパリの街並みもあり美しく感じる。

ほとんどは二人の会話劇で物語が進んでいるが、思わず共感したり、ハッとさせられる言葉ばかりで退屈せず、ずっと聞いていたいとすら思える。
だが、映画だという限られた時間だからこそいいのだと思う。

二人は9年の歳月を経て変わってしまった
ところは少なからずある。
だが、心の奥にあるはあの一日、
運命の人だと思い過ごした時間は、
二人の中に変わらず存在していた。

二人は美しくロマンチックな
あの一日を忘れたくなかった。
ジェシーは小説で。
セリーヌは歌で。
大切な時間を残した。

ずっと一緒にいる恋愛もいいけど、
たまにしか会えないからこそ
お互いのことを知りたくて価値観を
語らい合うのも素敵なことだと思う。

作中だけでなく現実の時の経過が同じなので、登場人物の成長が観られるのもこの映画の魅力だ。
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