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去年マリエンバートでのmのレビュー・感想・評価

去年マリエンバートで(1961年製作の映画)
5.0
死が2人を分かつまで。緻密に綿密に創り上げられた虚構は、まるで禅のようで居心地が良かった。緻密に作り上げられたからこそ曖昧な作品。

観たかった作品。
!あ、今作で1000mark達成です!最高に好きな作品が1000作品目で嬉しい。
史上最も難解な映画と言われているらしく身構えて観ましたが、やはりシュルレアリスム過ぎて頭を悩ませました。けど、一定のリズム感や決められたルールなど分かり易い場面もあり、どこかヒーリング効果を感じてしまった。構図がバシッと決まっているからなのか、衣装がシャネルだからなのか分からないが揺蕩うような感覚が好きでした。オープニング、永遠続く男の語りなんて瞑想出来そう。

主人公の男は、女(デルフィーヌ・セイリグさん)と豪華なホテルで再会する。男は去年マリエンバートで会ったと語りかけるのだが、女は覚えていない。そんなストーリー。

全然気にならなかったのだけどクリストファー・ノーラン監督の『インセプション』が今作の盗作ではないかと言われたんだね。そんなの気にならなくて驚いた。確かに、記憶という面では似ているけど、全然分からなかった。
とりあえず私は今作の脚本家アラン・ロブ=グリエさんが大好きで、『インセプション』も愛しているので、今作が好きな理由はなんとなく分かった笑

私の中では死と生が同居しているように感じられた。過去・現在・未来を4つの脚本で進行している中で死と生が描かれている。4つの脚本はココ・シャネルが担当した衣装でなんとなく判断がつく。突然静止する人々、豪華だけど無機質なホテル、優位性を示すゲームなど曖昧な死を連想させられた。

今作の難解な点は明快な答えが出されていない点だと思う。タイムトラベルなどのSF的にも感じられる。感じ方は十人十色。まるで詩のような作品。

崇高な映画のように崇めている人がいるけど、そういう意味ではなくて居心地が良かったということでスコアは久々の5にしたい。何日も余韻に浸ってしまった。

ストーリー : ★★★★★
映像 : ★★★★★
設定 : ★★★★★
キャスト: ★★★★★(デルフィーヌ・セイリグさん美しかった)
メッセージ性 : ☆☆☆☆☆
感情移入・共感 : ☆☆☆☆☆
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