再見。
宮殿で戯れる暇をもてあました男たちはゲームに興じているが果たして彼らは誰なのか?人間?銅像のような?あるいは亡霊?
トラッキングで捉えられる彼らは、随所でインサート戯れるトラッキングで収められた宮殿のようである。
覚えていないと言い張る女が開いた戸棚にあった大量の写真は、本当に実在したのだろうか。
写真はその被写体がまぎれもなく現前していたこと、すなわち「それは=かつて=あった」ことを保証する。
男が求めた、まごうことなき真実の記憶は、無限の現在を横滑りする過去であり、それはいわば写真を見つめるものの経験のようである。その時経験する前のめりになった写真的=映画的イマージュはまるで亡霊のようだ。