三度寝て、四度見直した。
半ば揶揄する意味で、雰囲気映画という言葉があるが、そのようなレッテルを吹き飛ばすほど映像が美しい。
対象物自体が美しいだけでなく、カメラワークも秀逸だ。
音楽は、パイプオルガンがほぼ全編通じて流れており、独特かつ、眠気を誘う。
例えば、室内楽団が演奏するシーンも、楽団の音は聴こえず、パイプオルガンが流れている。
三度も寝たので説得力がないが、最後はストーリーにひきこまれた。
後から分かったのだが、かなり緻密に作られているようだ。
くしくも、マルホランドドライブの後に似たような手合いの映画を見てしまったが、こちらはサスペンス要素が少ないので、相性がよかったのか、それほど疲弊することなくストンときた。
『去年マリエンバートで』とは、思わせぶりなタイトルだなと思っていたが、見終わったあとは、こうとしか書きようないなと思った。
ピッタリなタイトル。