避けては通れないのでみた。
難解であるけど、そのコンセプトは分かるし、全カット美しい。
静止した人物をゆっくりと回り込んで撮るようなシーンはなんとも耽美的で、イメージのちからを感じる。
過去と現在が共存するかたちで直に撮られ、断片化された記憶は、観点ごとに差異を伴いつつも、つなぎあわされる。(もはや、現在と過去のイメージは明確に区別できない)
そうして、複数の系列が反映し合いながら、映画としての結末に向かうが、それはもはや、解き明かされるべき、辿り着くべきものではなくなっているように思える。
そう感じるのは読解力のなさに起因するのかもしれないけど、そうだとすると、見る能力について啓蒙しているのだろう。