mikan

去年マリエンバートでのmikanのレビュー・感想・評価

去年マリエンバートで(1961年製作の映画)
4.0
時間と記憶が交錯し、真実?が理解できなくなる映画。黒沢明監督の「羅生門」より、芥川龍之介の「藪の中」にテイストや雰囲気は近いような気がした。
登場人物やカットの映し方などにより、その場面を回想している人物が、誰に焦点を置いているか、何を美化しているか、何に気をとられているかなどが何となく分かるようになっており、とても面白かった。
踵の壊れた靴がどうにもならないのと同じように、起こってしまった出来事はもうどうすることも出来ない。しかし、そういったものが集積され、やがて記憶に曖昧に残る。それら全てが過去になる。
mikan

mikan