サイクロプス

ディス・イズ・イングランドのサイクロプスのレビュー・感想・評価

3.5
サッチャー政権下、つまり80年代イギリスの労働者階級の鬱屈が率直に描かれて、興味深かった


若者の焦燥感みたいなのは、まぁわかる
でも、食えないほど貧しいわけではない
家は広くないけど、小綺麗
好みはあるけど、ファッションも音楽もお洒落
現代のアジア平均よりも、豊かなんじゃないか

結局、貧富って相対感がものを言うのだろう
サッチャリズムに上手く乗れた層は、どんどん豊かになる
それと比べて、取り残されている
将来にも希望を持ちにくい
皆んなが貧しいときより、惨めな感じが強まる

それでもって、不満の矛先が移民に向く
「パーキッシュ」と侮蔑を吐きながら、パキスタン人の雑貨屋を集団で襲う

そりゃ、Brexitだよね
全然、共存できてない
さらに異教徒が増えるなんて、とんでもないのだろう
ロンドンとか都会を除けば、田舎はだいたい、こんな雰囲気なのかもしれない

ある意味、今日的な映画でもあった