Omizu

鉄の男のOmizuのレビュー・感想・評価

鉄の男(1981年製作の映画)
3.3
【第34回カンヌ映画祭 パルムドール】
『大理石の男』の続編という位置づけで、軍事政権の弾圧から1980年9月17日に独立自主管理労働組合「連帯」が結成されるまでを描く。

あるジャーナリストがストの主導者のもとに潜入するように命じられる。そのストの主導者というのが『大理石の男』で探し続けた男の息子、そしてその妻が前作で主役だった映画監督のアグニエシュカ。

うーん、これはどうしたことか。構造自体は前作と同じはずなのにつまらない…

前作は未知の人物像を暴き出すという趣旨だったのに対し、本作はジャーナリストが反体制に感化されていくというテーマの違いはある。それ故にミステリーっぽさはなくなり、会話の多い政治ドラマに終始してしまっている。

カメラワークや映像、音楽も前作より抑え気味。これといって面白いシーンがなかった。

リアルタイムで自国の政治を描いてみせたということは素晴らしいと思うけど、映画の出来としてはアンジェイ・ワイダの中では特出しているわけではないと思う。
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