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鉄の男のnatsumiのレビュー・感想・評価

鉄の男(1981年製作の映画)
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共産主義時代のポーランド。国営放送の記者ヴィンケルが労働運動家として活躍するマチェックの活動を妨げるような記事を書くよう命じられたためマチェックと親しい人たちをインタビューしていく。マチェックは「大理石の男」に出てきた英雄ビルクートの息子。人々が連帯して大きな力になる様子がストレートに描かれて彼らの怒りとすごい熱量が伝わってきた。この歴史的時代を生きぬいているように感じた。そして前作に続きアグニェシカが好きだわ〜 ずっと強気だった彼女が泣いた時はウルっときた。ヴィンケルに造船所への入場許可をくれた女性が固そうなパンをリンゴの皮を剥くかのようにスライスしていく様子に変に見入ってしまった。ヴィンケルに愛着が湧いたあとに最後あれは可哀想。

実際労働組合組織の功績で検閲制度が一瞬だけ緩んだ時期にちょうど作られたけど検閲がまた厳しくなるのを見据えて超高速で撮られたっていうだけですごいけど、今作を作ると決めたのもワイダが造船所を訪ねた際労働者たちに「大理石の男」の続編を作ってほしいと言われたからで(タイトルも彼らが提案したとか)、どんどん調べると時差ありですごい歴史を感じてさらに胸熱になる。今のイギリスの光熱費ストもそうだけど最悪な状況でも団結力あるのすごいな… 今35mm.onlineにて無料公開されてるポーランド映画マラソンこれで10本目。
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