LEONkei

サディストのLEONkeiのレビュー・感想・評価

サディスト(1963年製作の映画)
3.6
ブルックリンからロサンゼルスへドジャースが移転しなかったらこの悲劇は起こらなかったかも知れない。

或いはこの平凡な教師たちにドジャー・スタジアムのチケットが手に入っていなかったら…。

はたまた10インチのポークウインナーと玉ねぎにケチャップとマスタードのバランスが絶妙な王道ホットドッグ〝ドジャードッグ〟がシンプルに美味すぎるのは自分も知っている。


灼熱の太陽に誘われ車で野球観戦に向かう三人の教師がガススタンドに立ち寄ったことが最悪の事態を招く、殺人を繰り返し転々とする気狂いカップルの餌食となる教科書通りの素晴らしく王道な展開。

『ナチュラル・ボーン・キラーズ』のミッキー&マロニーを更に凶悪で野蛮にし、血も涙も無い理性を失った動く肉の塊だけの雄と雌は無慈悲に教師を痛ぶる。

ガススタンドでの数時間の出来事だが各人物描写の捉え方が良く表現され、シンプルで最後まで飽きさせないB級ならではの面白さ。

もちろん展開のイラつき感も備わっている。

無名俳優だから尚更効果的で犯人の憎たらし顔に反吐が出るほど異常性に満ちた『ダーティハリー』のスコルピオ並みに狂っている。

モノクロの陰影を効果的に使い構図もメリハリがあって良く、映画史に埋もれた隠れた名凶悪犯かも知れない。


何故ホームランを打ったバッターがダイヤモンドを周わらなくてはならないのか、若い女教師が何気なく言った言葉は意味深だが意図した台詞かどうかは知らない..★,
LEONkei

LEONkei