ろく

カムイの剣のろくのレビュー・感想・評価

カムイの剣(1985年製作の映画)
3.3
昭和アニメを見る会。

先日「MEMORIES」のレビューをあげたとき、コメントにこの映画について書いてくださった方がいて、「うわ、懐かしい!観たの30年以上前だよ」と思い何気なくU-NEXT検索したらありやがるじゃないですか。もう見るしかないっすよ。

観て思ったのは癖が強い!(千鳥ノブ)。もうなんだこれって言うくらい癖が強すぎるのよ。「もうまともに観れないよ~これ」ってくらい癖強ですよ。ただ一度観るとはまるんだよねえ。

まずいきなり線が太い。京アニとは真逆である。しかもみんな出る人全て鼻の穴まで克明に。アニメ界の棟方志功ですよ。

そしてすぐ苦悩、苦悩、苦悩、苦悩。苦悩するシーンはブラックアウト、敵との対決ではホワイトアウト。やたら背景は白かったり黒かったり。

話は母と祖母を殺されたジロウ(声が真田広之!)が忍者になるんだが実はその忍者の頭領こそが黒幕であったというよくある展開。ジロウは行く先々で彼を助ける人を犠牲にし(ジロウは殺されないけどその巻き添えで周りはみんな死ぬ)戦うんだ。おいおい、ジロウいないほうがいいじゃないか。

そしてキャプテンキッドの財宝を探すために蝦夷に行き(当然親切なお爺や女の子は殺される)、さらには財宝はアメリカにあるため徒歩でアラスカを歩く(お前徒歩ってどんだけ)。

その後アメリカについた後は西部劇よろしくインディアンの女子を助け(なぜかその女子はインディアンなのにフランス人という意味不明設定)、早撃ちで敵を倒し、そのまま宝物をゲットバウンディ。そこに現れた忍者の頭領(あんたも歩いてきたのか!)。一騎打ちで無事倒す。でもあと20分以上あるんだよねえ。どうするんだ、この後。

じつはアメリカで殺された頭領は影武者だった(なんて素敵設定!)。日本に戻ったジロウは西郷隆盛の助けを借りてさらに対決。よしやっと終わったぜ。

ジロウを助ける敵方女子忍者が実はジロウの姉だったり、ジロウを助けるおっさんが実はジロウの父だったり伯父だったりとぐだぐだ設定だし、なぜかマークトウェーンや安藤昌益の孫が出るし、歴史上の人物出しとけばいいのかよというトンチキ設定なんでもう身もだえしまくりだけどいいんだよ、そんなこと。ただただ少年だった僕はかっけーってなっていたから。それを赦してあげようぜ。

音楽宇崎竜童、林英哲(和太鼓の人ね)。常にエレキギターなりまくり太鼓うちまくりですよ!ちなみにジロウを襲う三人組忍者は宇崎、林に加えて監督のりんたろうがアテレコしているから。聞き逃すの厳禁!
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