はる

ウインドトーカーズのはるのレビュー・感想・評価

ウインドトーカーズ(2002年製作の映画)
4.5
これはかなり面白かった。
今の時点では今年観た中でNo.1。なのにどうしてこんなに評価が低いんだろ?

真珠湾攻撃やミッドウェー海戦など、暗号解読が戦況を大きく動かしたあの大戦で、ナバホ族の活躍があった事、これを見るまで知りませんでした。

1944年、米軍は日本軍が占領するサイパンに上陸し、東京襲撃を目指します。
その最前線に派遣された「ウインドトーカーズ」と呼ばれるナバホ族の通信兵を護衛するアメリカ海兵隊員を描いた戦争映画でした。

ニコラス・ケイジが演じるのはエンダーズ伍長。ナバホ族の暗号通信兵ヤージを護衛し、暗号を死守する任務でした。
このヤージがすごくいい男で、二人の間には友情が芽生えてくるんです。
エンダース伍長は任務を゙優先するあまり、部下を何人も死なせてしまったというトラウマを抱えていました。
このトラウマと、ヤージを守るという重責が彼を極限まで苦しめていました。

この、苦しむニコラス・ケイジがすごく良かったです。
『リービング・ラスベガス』といい、この人、苦しむ役がうまいですね。

ナバホ族はかつては白人に土地を奪われ、殺し合いをしてきた歴史があります。
それがここでは友情で結ばれ、共に日本軍と戦っていました。
そして、日本人も今や同じ席でアメリカ人と酒を酌み交わし、同盟まで結んでいます。

そんな事なら初めから殺し合いなんてしなきゃいいのに。
それが出来ない人間の愚かさなんかもヒシヒシと伝わってきました。
はる

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