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砂漠のライオンのmhのレビュー・感想・評価

砂漠のライオン(1981年製作の映画)
5.0
反イタリア抵抗運動(1924-1931年)を、占領下リビアの指導者オマル・ムフタール(おじいちゃん)を中心にして描いた戦争大作。
古くはローマ帝国(のちのイタリア)の支配からはじまっているので、オスマントルコ軍から奪い返した自国領のつもりでいるファシストイタリア軍と、いやいやそもそもお前らは盗人なんじゃんというリビア人との対立を、史実通りに描いている。
スペクタクルシーンもふんだんで、砂漠を疾走する軽戦車FIAT3000(イタリア版ルノー FT-17)の一団は、「マッドマックス怒りのデスロード」を彷彿とさせるし、ムスリムの戦士たちが駆る騎馬軍団は「アラビアのロレンス」のよう。
アクションシーンのリアリティも必見。近い距離の爆発、横転する戦車、転倒する人馬と、いちいちがすげー迫力でまたその量が半端ない。
後頭部を撃たれて額に血が出るのとか、シンプルだけどすごい技術じゃね?
普段はナチスドイツの影になって目立たない極悪イタリア軍とラスボスムッソリーニは必見の部類。
祭りのシーンに女がいないとか、「覚悟すると脚をくくる」という戦士たちなど、ムスリムの慣習についてもちゃんとやってくれてる。
主人公が七十過ぎたおじいちゃんというのもいいね!
ヒトラーが台頭するかなり前からファシズムやってるというイタリアの歴史も学べてめちゃくちゃお得。
ひさびさに感動した戦争大作でした。
mh

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