モールス

レディバード・レディバードのモールスのレビュー・感想・評価

3.5
ケン・ローチ監督らしく、厳しい現実を見せつけられる作品です。本作はシングルマザーや移民に対する偏見が描写されています。冒頭に移民の男とシングルマザーの出会いがありました。このカップルは互いに惹かれあって結婚します。自分達なりに子供を大切にしようとして、貧しいなりにも懸命に生きていく意志は十分に感じました。
家庭での子供の虐待や育児放棄に対して敏感になってる世相もあり、当局がカップルから子供を引き離すのが最善の問題の解決策だと決めつけてるようでした。それがいらだちを感じさせられました。通り一辺倒に処理をする役人根性は苦々しいですね。はっきり言って偽善です。
ただ、子供を取り上げられた彼女の方も激情家で問題大有りです。これがこの問題を更に悪化させていくのも、作品を観れば一目瞭然です。だからこそ、それぞれの立場に対してフェアに制作されてるとも感じました。
社会派ケン・ローチ監督らしい視点で描かれた佳作だと思います。
モールス

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