望月峯太郎は、同世代の漫画家のなかでも、異常なほど絵が上手く、センスもずば抜けていた。しかし、この原作にかんしては、それがすべてで、ストーリーらしいストーリーはほとんどない。
本作はその原作を換骨奪胎して青春ムービーにしたものだが、これもまた、いま見るとそうとう変な映画で、傑作と呼ぶにはためらいがある。
他の方のレビューで「いまだったらストーカー規制法に引っかかる」というものがあったけど、あえて言えば「青春の空回り感」みたいなものがテーマ。
80年代後半の空気感、ロケ地となった千葉の田舎のような郊外のような風景、そして筒井道隆と高岡早紀の存在で、記憶に残る邦画となっている。
ちなみに「恋のストレスで太ったソノコ君」は別の女優が演じてアフレコ当てていたらしい(高岡さんの特殊メイクかと思えるほど似ている)。