エリック・ロメールが69歳の時に撮った『四季の物語』第一作。
冒頭でベートーヴェンのバイオリン・ソナタ「春」が流れ、パリの街並にとけ込む。
高校の哲学教師の女性と10代の音楽学校の少女が偶然パーティで出会い、打ち解ける。何気ない会話のやりとりから、思わぬことが起きたり、気まずくなったり…。
哲学の話もロメールが手掛けると軽妙に聞こえてくる。毎回こんな会話をよく思いつくなぁと感嘆しながら観てしまう。なんで飽きないんだろ。
演じる役者も自然体。
桜咲く別荘の庭、シンプルなファッション、部屋に飾られる花々、終わり方も心地いい。
日本人には理解できないこともまた楽しい。