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日本侠客伝 斬り込みのbluetokyoのレビュー・感想・評価

日本侠客伝 斬り込み(1967年製作の映画)
2.8
テキヤとやくざは違うということから始まる。かと言って、なにか説明しているわけではないので、その違いがわかるわけでもない。マンネリを防ぐためである。
冒頭からいきなり殴り込みシーンがあって、ハッとさせられるものの、見どころはそこくらいであとはひたすら、同じことの繰り返しである。
任侠映画の場合、理不尽な仕打ちが波状的に押し寄せ、ついに、最後、堪忍袋の緒が切れ、殴り込みを掛ける、という流れである。
ところが、この映画の場合、なんとなく、ふわっと、殴り込みを掛けるのだ。しかも、通常の任侠映画の場合、警察に捕まるか、自首するのだが、なんとなく、ふわっと、逃げてしまう。過渡期的な作品なんだろうなあ。
気になるのは、悪役のボス、渡辺文雄さんが演じているはずなのだが、役名が不明なのだ。映画の台詞では、相州屋、となっているが、まあ、屋号だから、いいのかな。でも、姓名があるはずなのに、記録がないのである。けっして端役ではないので、不思議なことである。

簡単にあらすじ。
西日本?、九州?で、殴り込みを掛けて、逃亡する(というより旅)、中村真三と幼い息子。東海のある港町まで来て、息子が病気になり、カネもなくなった。
そこで、傘屋源蔵に助けられる。源蔵は昔、新宿の露天商をやっていたので、その伝手で、真三は新宿に行くことにする。
お京(源蔵の娘?)も息子を連れて、真三の後を追って新宿へ。

真三は、テキヤの街商同盟に加わって、お京とも祝言を上げた。

これで上手くいくのかと思ったら、板橋あたりのやくざ、相州組が勢力を伸ばしてきた。若松組が間に入ってくれた。

さらに、若松組の口利きで、中村組を立ち上げる。

それでも、相州組の攻撃は続く。

ついに若松組の組長、若松幸次郎が、相州組から銃撃を受けた。

中村真三は単身で相州組に殴り込みを掛ける。さらに、中村組の面々も加わる。

真三が相州組の組長を切り殺す。

若松幸次郎の口利きで、中村真三は捕まらない。

夕闇が訪れる間際に提灯の明かりが、ほわっと灯ったりするシーンはなかなかいいのだけど、カタルシスは、あまりない。なんとなく、終わってしまう。
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