健一

零戦燃ゆの健一のレビュー・感想・評価

零戦燃ゆ(1984年製作の映画)
3.2
1984年 🇯🇵映画 カラー作品。

「防御策など要らん💢! 攻撃こそ最大の防御だ💢! 我々には大和魂がある!」

海軍上層部がこんな事言っている時点でアメリカに勝てるわけないですよね。

海兵団に入団した 浜田 と 水島。
浜田はパイロット、水島は整備士になり各地を転戦。
零戦誕生から最後を迎える終戦までを 二人の青年の友情を軸に描いた 戦争青春物 というちょっと異質な作品。

今までにないタイプの戦争映画でした。
80年代という時代に合わせて作られた作品なのかな?
劇場公開時の84年、劇場で予告編を観たのは 何となく記憶がある。
若い頃の早見優が「このままじゃいけない。」って言うシーンが印象に残っている。

戦火に生きる青年二人の友情物語が作品の多くを占めているのが斬新。

ただ 始まっていきなり少しコミカルな音楽が流れ出し 「君よ憤怒の河を渉れ」の悪夢が頭をよぎった。
しばらくこのコミカルな音楽が続き 「あ〜〜っ。やっちゃったなぁ〜。」と思ったが 中盤から安定してきた。

開戦頃には無敵の強さを誇っていた零戦。
向かう所敵なしだったが戦況が悪くなるにつれ 敵国も開発を進め 零戦以上の戦闘機を作り出し 日本軍へと攻めてくる。
次々と仲間を失っていき 自身も大怪我を負い ついには特攻以外の道が無くなる。
そんな過酷な時代の中でも 浜田と水島はお互いを慕い 尊敬し合い 友情を深めていく姿がなんとも胸が熱くなる。
途中から早見優も加わり三角関係に発展するが そんなもの時代が許さない。
様々な思いを抱え 大空に散っていく若者たちの青春を見事に描いている。

宮崎駿監督の「風立ちぬ」の主人公 堀越二郎さん、曽根さんも わずかだが登場してきて、当時の零戦開発も描いていたのも嬉しい。

零戦を描く作品とあって空中戦闘シーンも見応え充分!

今年の夏。終戦75年目という事で多くの戦争映画を鑑賞しましたがラストを飾るにふさわしい作品でした。


😷コロナパンデミック中に鑑賞😷
健一

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