hummingbird

鞍馬天狗 江戸日記のhummingbirdのレビュー・感想・評価

鞍馬天狗 江戸日記(1939年製作の映画)
4.5
シリーズ第20作。39年、モノクロ、スタンダード

監督は松田定次。鞍馬天狗シリーズの魅力、戦後作品にはない荒削りな魅力に加えて、面白い作品を作ろうと力が入りまくってる魅力。

映像は俳優に動きをつけた凝った長回しが中心。この監督は長回しのイメージがないけど、こういう時代もあったんだな

切り返し以外に、人物を横から撮影したカット、ドリーもある(こういうのはハリウッド映画にはなさそう)。ふすまがあって、人はふすまの後ろ、カメラがふすまの前を通る、東映時代劇のおなじみカットも。

この時代の日本映画ではどれだけのテクニックが確立されていたのか、謎は深まるばかり。

殺陣のシーンは後から少し早送りをしている。戦後作品みたいに整った殺陣ではないので、何がどうなってるのかよく分からない。とても迫力がある。クライマックスはマキノのような人もカメラも動く殺陣(意外と弟が先だったりして?)

クライマックスのアラカンさんの動きも独特。殺陣で、画面の奥から動いてきて、アップになる位置で止まる定番のパターンは、既に確立されていて、この作品では何度も出てくる。

日活がAmazonで配信している「鞍馬天狗」は3本だけど、どれも素晴らしい作品。見られるのがほんとうにありがたい
hummingbird

hummingbird