つん

バグダッド・カフェ<ニュー・ディレクターズ・カット版>のつんのレビュー・感想・評価

4.3
若き日に見て大好きだった映画。
久しぶりに、それこそ20年ぶりにディレクターズカット版を見てみましたが、やっぱり最高。
当時はもっと、感覚的に見ていたような気がしますが、今見るとまぁ理解度が深まるというか気持ちがわかるというか、染みるものがありました。

その場所にしかない暮らし。
最初は受け入れられないものが、どんどん理解しあっていく過程。
孤独感を持つ人の共通点。
そんな中、仲良くなりすぎて馴れ合いは嫌だと去る人がいるのも面白い。
ダリの絵画のような色合い、そして素晴らしい音楽、独特の空気感。

この映画は、私が好きな台湾映画に通じるものがあると思っています。
例えばワンシーンを切り取っても一つずつがポストカードになりそうな映像美。
なんてことない人々の暮らしがとてもドラマティックに見えるところ。
自分とは違う感覚の不思議な人たちが出てきて興味深いところ。
登場人物が愛おしく思えるところ。

時を経てまた、熟されたように感じる作品で、わたしはまた何年後かに見たいと思います。
つん

つん