ずっと観たつもりになっていて、実は観てなかった名作
89年の公開当時ミニシアターブームを作ったロングラン映画でポスターの給水塔のイメージが強く残った為もあり観たつもりになってたのかもしれない
物語の舞台はイラクでなく(これもずっと誤解していた)カリフォルニア州ニューベリースプリングのルート66沿いにあるカフェ
観終わった後、
あー、随分遅くなったけどこの映画に出会えて幸せだと感謝した
すれ違ったままにならなくてよかったと安堵した
ヒロインはまるでボテロの絵を思い出させるようなふくよかさで、その外見の造形効果もあり、ギスギスした周囲の対立を全て包み込み寛解させていく
そのマジックに惹き込まれる
それは宗教的な愛とは全く別物で、説得したり押し付けたりするものでもなく、自己主張や倫理的正義からでもない
謙譲さと共に示される人が人を自然に心から慈しむ様として表される
観終わった後、愛こそすべてと素直に言えなくなった自分の干からびた心に水を与えられたように感じた
これが愛の本来の姿であるならば、愛はまだまだ捨てたもんじゃない