Melko

恋はデジャ・ブのMelkoのレビュー・感想・評価

恋はデジャ・ブ(1993年製作の映画)
4.0
「リタ…」
「ナンシーよ」

「明日どうなろうと、将来どうなろうと、今は幸せだ」

昨日から良作続きで嬉しい!
これはずっと見たくて2年ぐらい📎したままだった。
これぞビル・マーレイ!なマーレイ節炸裂の心温まる一作。

お天気キャスター フィル・コナーズ。高慢、皮肉屋で小言が多い彼は、同僚からも煙たがられている。
そんな彼が4年連続でイヤイヤ参加してるレポート仕事が今年も開催。
2月2日に、人口6400人のド田舎パンクスタウニーで行われる「聖燭祭(グラウンドホッグデー)」
田舎や祭り自体を小バカにしているフィルは、仕事もテキトー。だが吹雪で足止め、パンクスタウニーから出れなくなってしまう。翌朝6:00に目覚めると、なんと同じ2月2日で……というストーリー。

同じ1日から抜け出せなくなってしまったら。しかも、何の魅力もない寂れた町で、自分のことをうっすら嫌ってる人達と一緒で……
人との関わりはワンチャン何とかなるかもしれないけど、町に魅力がないのはキツい。でもそれはフィルの偏見色眼鏡を通してパンクスタウニーを見ているだけで、個性豊かで明るく優しい人々がいる町。
3日目までは困惑しつつも、4日目には開き直り、6日目には旧友の保険セールスを参考にした口説き文句で女性と良い仲になりプロポーズまで…!
でも、彼の心の中にはずっと、難攻不落の同僚リタの存在が。

彼女と結ばれたいフィルは、失敗や失言を1日ずつカバーして更新するのだが。最後まで上手くはいかない。
付け焼き刃の優しさや愛情は意味ないってことだろうか。

最初はオロオロして挙動不審になりながら、日数を重ねて開き直り、やりたい放題するフィルがしょうもなくて笑える。笑
さすがに死ぬのはアウトだろうなと思ってたら、爆死しても元に戻るなんて笑
それはダメだろ〜と思いつつ、その行動の無軌道さは「ハッピーデスデイ」みがあって、段々おかしくなってくる笑

同じ日を繰り返して生きてるフィル(=同じ日に違うカット)を何度も撮るのって、地味にすごい大変だろうな、と。!
一人だけ違う日を生きてるフィル以外の人たちは、何回も同じセリフを言わないといけないし、撮影のディレクションが大変そう、なんて。

フィルに執拗に絡む保険セールスマンを演じた、ハロルドライミス。撮影中は、離婚裁判中だったマーレイがピリついて態度が横柄だったこともあり、かねてより噂だったライミスとの不仲は今作で決定的なものになってしまったのだとか。以来20年口をきくことのなかった2人。ライミスの死の直前に仲直りしたみたいだけど、劇中ではイキイキ絡んでるから、切ない……

自らの幸せを一旦そばに置いてみて、自分の周りの人を幸せにすることについて考えて、行動する。
もしかしたらそれが、自らの幸せに繋がるのかもしれない、と。
王道だけど、しっかり納得、ホッコリ場面のエンディング。
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