HAYATO

恋はデジャ・ブのHAYATOのレビュー・感想・評価

恋はデジャ・ブ(1993年製作の映画)
4.3
2023年462本目
ずっと見たかった「タイムループもの」の代表的な作品
ビル・マーレイ&アンディ・マクダウェル主演
小さな田舎町の祭りを取材に訪れた気象予報士が、何度目覚めても同じ日を繰り返すという時間の迷路に入り込んでしまう。
巧みな脚本によって、超常現象に囚われてしまったフィルの感情の変化が「困惑→謳歌→絶望→改心」という流れで見事に表現されている。
グラスに入ったビールを「もう半分しか残っていないと考えるか、まだ半分あると考えるか。」というセリフは、捉え方次第で物事は違って見えるということに気付かせてくれる。
高慢で自己中心的だったフィルが、自分の人生を見つめ直し、温厚な行動を取るようになっていくところが印象的で、他者の幸せが自分の幸せに繋がっていく描写に心が温まった。
おじいさんが亡くなってしまう場面やリタとなかなか結ばれない様子からは、たとえ同じ日をやり直すチャンスが何度巡って来ようと、1日では変えられない事実や逆らえない運命があるということを学び、「明日」という未来の尊さを存分に感じられる。
主人公が自殺を図ったり、開き直ってやりたい放題するシーンは、『ハッピー・デス・デイ』でオマージュされていたので、本作が後のタイムループ作品に大きな影響を与えたのがよくわかる。
ビル・マーレイの飄々とした演技が面白く、車を暴走させた挙句、駆けつけた警官に対してドライブスルーの注文をするシーンは特に笑わせていただきました。
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