とある1日を無限ループすることになった男のコメディだけど、単なる娯楽に留まらない寓話みたいな作品。「アバウト・タイム」と比較出来る点もあるけど、「今を大切に」というテーマの伝え方は本作の方が好き。
「もし毎日が同じ繰り返しだったらどうする?」とのフィルの問いかけに「俺の人生がそうさ」とむげに返されるシーンが本作の要。「同じ1日をループしているのはフィルだけじゃなくあなたもかもよ?」と観客に提示するようなメッセージが胸に刺さる。
同じ1日をおそらく何百何千回と繰り返した結果、街中の人に寄り添い人徳者と変わっていくフィルをビル・マーレイが好演。明日、明後日が来てもこの人ならきっと人に好かれ続けるだろうなと観客全員に納得させる彼の表情や仕草の上手さが堪らない。